「崩壊の時代における芸術体験」シリーズ最終回となる第4回では、これまで見てきたさまざまな理論や実践を踏まえ、アート運動や体験が具体的にどのようにつくられるかに焦点を当てます。
「集団的喜び」や「トータルアート(総合芸術)」といった概念を起点に考えると、これからの時代にはどのようなアートスペース、また、どのような価値や倫理、体験を促す空間が必要なのでしょうか。特に「ビジョナリー」な実践例を参照しながら、アート空間がいかに総合的であり、「生きた政治」の場であるかを考えていきます。
アートファンだけでなく、特にアート業界や美術館で働く方、建築やデザイン、コミュニティーづくりに関わる方にとって興味深い内容となっています。このシリーズで「崩壊の時代」と呼んでいる時代において、ラディカルなアート体験の見直しの必要性について考えます。
https://tas-premier.a-i-t.net/Spaces
●サンプルレクチャー3「集団的喜びの芸術空間」(3分04秒)
インストラクター:ロジャー・マクドナルド(AITキュレーター、TOTAL ARTS STUDIESディレクター、フェンバーガーハウス館長)
新自由主義や過剰な資本主義が、いかに共同体を抑圧してきたか、逆に、個の競争を生活の中心においてきたかについて言及します。17世紀オランダの哲学者スピノザの思想を参照しながら、人間の感覚や気持ちと、社会の中で起こす行動やアクションの関係性について話します。
人々の連帯感や「コレクティヴ」と、これからのアートを考え、集団的喜びを促す美術館とはどのような場所なのかを探ります。スペインにあるソフィア王妃芸術センター|Nacional Centro de Arte Reina Sofíaの先駆的な事例も紹介し、これからのアートの学びの空間について考察します。
[ インストラクター プロフィール ]
ロジャー・マクドナルド(AITプログラム・ディレクター)
東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士では、国際政治学。修士では、神秘宗教学(禅やサイケデリック文化研究)。博士号では、『アウトサイダー・アート』(1972年)の執筆者ロジャー・カーディナルに師事し美術史を学ぶ。1998年より、インディペンデント・キュレーターとして活動。「横浜トリエンナーレ2001」アシスタント・キュレーター、第一回「シンガポール・ビエンナーレ 2006」キュレーターを務める。2003年より国内外の美術大学にて非常勤講師として教鞭をとる。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。2019年、地元・望月にて市民運動グループ「MOACA」設立。2021年UBIA「宇宙美術アカデミー」をスタート。スペースミュージッククラブほか「市民回復センター」を主催。AIT設立メンバーの一人。
TOTAL ARTS STUDIES プレミア
主催:NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ
制作:2022年