短いやうで長かつた此年も虫のさえずりが,キンモクセイの香りが漂ふ夜更け夕方の季節
夏は短ひやうで長かつたようであつた。何ひとつ夏としての記憶は微塵も無く、もはや夏などなかつたのではないか、或いは何か事故や病で昏睡状態に陥つたとして記憶を喪失したのか。とまで予想がつくが
カレンダーを見れば、やはり今は秋である。
最近の出来事と云えば
少しの間私を苛んでいた鬱か躁か知らない何か心の中の真白だつた一面に着いた真黒なシミのようなもの
それが或る日を境に突如姿を消し
約2年ぶりに一本の光の兆し、そこから照らされた明かりが再び私を活気に満ちていた昔の私へと変化させたのであつた。